<part 4> 私の眠り 私たちの体内時計と睡眠との関係

私たちが持つ体内時計の仕組みを知っていますか?朝日を浴びることでリセットすると
言われている体の時計。これが狂ってしまうと、睡眠障害になったり
こころとからだに様々な影響を及ぼします。生活のリズムを整えることは
基本的なことだと思いますが、実は私たちの健康を司る大切な要素です。

 

<体内時計は24時間ではないの?>

私たちがそれぞれに持つ体内時計。それが24時間ではなく約25時間を周期としていることを知っていますか? 地球の周期とは約1時間のずれがあり、この睡眠・覚醒リズムに乱れが生じると、概日リズム睡眠障害につながってしまいます。

<私たちの体内時計の仕組み>

体内時計は睡眠・覚醒リズム以外にも、体温などの「自律神経系」「内分泌ホルモン系」「免疫・代謝系」などを約1日のリズムに調節していて、このような約1日の周期をもつリズムのことを概日リズムと呼んでいます。真っ暗な部屋で日光に当たらず、時計を見ずに自由に生活をしていると、寝付く時刻と目が覚める時刻が1日ごとに約1時間ずつ遅れていくことが観察されています。これを調整する一番の方法が朝日を浴びること。朝の光は体内時計を早め、夕の光は体内時計を遅らせることもわかっています。つまり朝に太陽の光を浴び、食事を摂り、日中適度に体を動かし、学校や仕事に行くことなど外的要因によって、体内時計の周期が25時間から24時間へ早められているのです。

<リズムが乱れるとどうなる?>

この体内時計の周期と地球の24時間の周期とのずれをうまく修正できなくなると、睡眠・覚醒リズムに乱れが生じます。昼と夜と規則正しく生活していれば、ずれが修正できますが、現代社会は夜の明るい照明やスマホのブルーライト、24時間営業のコンビニなどにより、ずれを修正しづらい環境に。リズムの修正ができないと、入眠・覚醒がうまくいかず、眠気や頭痛・倦怠感・食欲不振など症状につながってしまいます。この睡眠の障害を概日リズム睡眠障害といいます。

<大切なのは日々を規則正しく過ごすこと>

昔から言われている「規則正しく過ごすこと」はこうした体内リズムを整えるためにもとても大切なのです。朝、カーテンを開けて朝日を浴びる、リモートワークだとしても決まった時間に朝食を食べるなど。家にいる時間が増えたいま、通勤で運動していた部分が不足していたり、食事の時間が不規則になったりしていませんか? 改めて自分のルーティーンを作り、家にいても、規則正しい生活を意識して過ごして見てください。

 

<part 3> 私の眠り 疲れをリセットし、明日へのエネルギーをチャージする

毎日の睡眠の大切な役割はその日の疲れをリセットして、元気を取り戻すこと。とにかく眠ることは最大の私たちの元気と美しさの源です。この仕組みをご紹介します。

 

睡眠中に、私たちの体はさまざまなホルモンが分泌され、細胞の修復や脳のメンテナンスを行っています。なかでも私たちの疲労回復や美しさと直結しているのが「成長ホルモン」です。タンパク質や骨などを合成する働きのほかに、細胞の修復、皮膚の新陳代謝を促すなど、様々な機能があります。この成長ホルモンの働きは、きちんとホルモンが分泌されてこそ行われるもの。その分泌に関わるのが深い眠りです。

<ホルモンはいつ分泌されるの?>

私たちの睡眠は身体を休ませる「レム睡眠」と、脳を休ませる「ノンレム睡眠」があります。この2つを約90分のサイクルで繰り返しています。特に「ノンレム睡眠」は4段階に分かれていて、3段階以下の眠りを深睡眠と言います。成長ホルモンは、3段階から4段階の深い眠りのときに最も分泌されるのです。一般的に、入眠後約3時間がピークだとされてます。つまり入眠後、いかに深く眠れるか、というところが勝負です。ここでしっかり深く眠れていると、たっぷりと成長ホルモンが分泌され、結果メンテナンスが進みます。しかし眠りが浅く、分泌がうまくいかないと、次の日まで疲れが残ることも。さらに肌がくすんできたり、気分がもやもやしてストレスが溜まったような状態も、睡眠が影響している場合があります。

<眠る前に気をつけること>

眠る前のスマホはブルーライトの刺激による覚醒作用がありますし、お酒やタバコなどの嗜好品も覚醒作用があります。できるだけリラックスした状態で、部屋の明るさを下げ、ゆったりと入浴をして、日常の気分を切り替えて眠りにつくこと。そのための切り替えがパジャマや寝具。お気に入りの肌触りに包まれて、日常モードから眠りモードへ体も脳も切り替えて眠りについてください。

 

 

<Part 2> 私の眠り 深く眠るための入浴法

深く眠るためのコツは日常生活のちょっとした改善から。体の仕組みを知ると、入浴を利用することで眠りが深まることがわかります。そこで今回は「睡眠」という目線からの入浴についてお伝えします。

1 入浴はどのタイミングで入るのが良い?
2 お湯の温度の適温は?
3 長風呂でリラックスするのは眠りに良い?
4 お風呂上がりに気をつけることは?

 

私たちは体の熱を放出しながら眠りにつきます。赤ちゃんが眠る時に手足が熱くなることでもわかるように、深部の体温を手足から放出しているのです。そこで大切なのは冷えやほてりなど、体温に関係する入浴のタイミング。長年睡眠について研究されているスタンフォード大学の西野精治教授が最近の著書「最高の睡眠」で入浴法について触れています。それだけ最高の睡眠をとるための要素に、入浴がポイントだということ。正しい入浴法を学ぶと、眠りの質が高まるはずです。

1 寝る直前にお風呂に入るのか、お風呂に入ってから自分の時間をゆっくり過ごすのか、さてどちらがよいのでしょう? 睡眠から考えると、西野先生も眠る90分前の入浴を勧めています。私たちの体の機能は体の内側の体温「深部体温」というものを放出しながら眠りについていきます。ちょうど90分が体の芯が冷えすぎず、ほてった体温が落ち着く時。そこでベッドに入ることがおすすめです。

2 熱いお湯が好きな方、ぬるめに長く入りたい方、と好みは様々ですが、入浴の際のお湯の温度は40度で15分が最適です。

3 もちろんお風呂でゆっくりするのは最高のリラックスです。40度より熱いお湯が好きな方は、時間を15分より短くする。低めの温度でゆっくり入りたい方は、お風呂上がりに汗をたくさんかくかもしれませんので、きちんと汗がひいて、体が冷える前にベッドに入るようにしてください。汗をかいた不快な状態をリセットし、深部体温が下がりやすい状態でベッドに入ることがおすすめです。

4 お風呂上がりは、きちんと汗を吸収したり、肌が呼吸しやすいものを着たいものです。例えば化繊で汗がこもり蒸れてしまうと、肌からストレスを感じてしまいます。汗が引いてからだが冷える前にベットに、がポイントなので、お風呂上がりに冷えすぎてしまうのもNGです。例えば、ナイトウエアは薄手の半袖を着て、肌にかけるコットン毛布の厚さで温度を調節する。冷房が強い部屋で寝ている方は、長袖のナイトウエアに毛布を使うなど、ご自身のお部屋の環境も考慮して、ナイトウエアや寝具を選ぶことも大切です。

無理に何かルールを守ることではなく、大切なのは眠る時に自分が快適か、気持ちよく過ごせているか。ぜひご自身のライフスタイルと相談して、ご自身なりのルーティーンを作ってみてください。

 

<pert 1> 私の眠り 眠りの質は大丈夫?

私たちは忙しくなると、一番に睡眠を削って仕事をしたりしがちです。慢性的な睡眠不足は様々な病気の原因につながります。では、あなたの眠りの質はいかがでしょうか? 以下の質問にあてはまるものはありますか?

1 朝起きた時に、ベッドから出たくないと感じる
2 朝起きた時、疲れが残っているようだ
3 ランチを食べたあとに眠くなる
4 考え事をして眠れない(寝つきが悪い)時がある
5 昨日考えたイヤなことが朝起きてすぐに思い浮かぶ
6 週末に二度寝や寝溜めをしている

 

今回は睡眠の質に関する質問。1つでも当てはまるものがありましたか? 睡眠時間が短い、という単純に寝不足の状態ではなく、あくまで普通に寝ていた日の状態で考えます。

1、2の朝起きてベッドから出たくない、まだ寝たい、疲れが取れていないという方は、質が悪い可能性があります。眠りが浅いと、入眠後2時間ほどで分泌される成長ホルモンがうまく分泌されず、疲労や内臓機能の修復に影響が出ます。

3、6の昼食後に眠くなる、週末寝溜めをしている方は、寝不足のサインです。質が悪いか時間が短いか。人間の機能として寝溜めをしても意味がなく、日々上質な睡眠で毎日の疲れをリセットすることが大事です。ご自身の睡眠のとり方はいかがですか?

4、5は考え事で寝つきが悪いタイプのかた。ベッドであれこれイヤなことや気になることを考えていると、どんどんふくらんでしまいます。すると脳が休まらず朝起きてもひきずってしまう。入眠2時間後のホルモン分泌の大切な機能に脳のストレスリセットがあります。

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ホルモン分泌を促すためにも寝つきをよく、すぐに深い睡眠に入る準備をしたいもの。そこで有効なのが入眠アイテムと脳のルールづけです。お風呂に入って気持ち良いパジャマを着たら、考えごとをせず眠ろう。アイマスクをしたら、考えを終わりしよう、など入眠アイテムを脳へのサインとして意識づけをします。マインドフルネスと同じで日々の練習で習慣化するもの。多くのnanadecorファンの方が「アイマスクが手放せない」「パジャマを着たらよく眠れた」とおっしゃるのは、知らずにアイテムを使って「これから眠るんだ」と脳へサインを送る習慣ができているようです。脳をオンからオフモードへクールダウンしていくこと。寝つきの悪さを改善して、良質なん睡眠を手に入れましょう。

睡眠改善インストラクター 神田恵実